カリフォルニア州の最低賃金推移
アメリカの最低賃金は州や市によって様々です。日本の最低賃金も県によって違うみたいですが、東京では932円みたいですね。
では、カリフォルニア州の最低賃金はどんな感じか見てみましょう。25名以上の会社は2015年:$9, 2016年:$10, 2017年:$10.5, 2018年:$11, 2019年:$12, 2020年:$13, 2021年:$14, 2022年:$15。25名以下の会社は2023年までに$15に引き上げないといけません。$1を110円換算したとしても、最低賃金が5年後にはなんと1,650円ですよ!!?
サンフランシスコは2017年に$15、ロサンゼルスは2020年に$15になります。上げ過ぎ、上げ過ぎ!!と思ってしまいますが、何故こんなに上がっていく予定なんでしょうか?その背景には市民の声が強かったと思われます。
”Fight for 15”の成果
アメリカの各地で最低賃金を$15に上げろ!!我々は$15になるまで戦うぞ!というデモやストライキがファーストフード店員を筆頭に色々な職業の人に拡がっていき、各地で頻繁に起こりました。
その影響もあり、一部州、市では一気に給料が上昇する事になりました。確かに$7,8の市、州もあるので、そういう所は徐々に上げればいいと思うのですが。アメリカのレストラン等チップの貰える仕事はチップに頼れるので良いのですが、チップのない仕事で$7のみとかだとさすがに苦しいだろうとは理解できますが。
最低賃金を引き上げる事によって起こり得るであろう事
ただ、そういう人の事も考え、又賃金引上げによって、皆のお金が潤いお金が循環して、経済効果があると一言で言うのは間違いです。何故ならこの賃上げによる悪い影響も色々と考えられるからです。
- 解雇、労働時間の削減:中小企業、個人商店は人件費としてもろに影響を受けてしまいます。人件費を削るため、解雇やスタッフの労働時間削減がまず考えられる事です。
- 新卒、経験の浅い人を採用しない:経験のない人にこんなに高い給料は払いたくありません。そうなるとそういう人達の採用を避ける傾向が出てくると思われます。
- 経験のある人の給料上昇率の鈍化:もともと$15以上もらっていた人達は$10だった人が数年後に$15になってしまうので、$15以上だった人も同時に給料上昇させないといけないが、この層の人達の給料を代わりに削らざるを得なくなるので、上昇率が鈍化する。
- 失業率の上昇:上記理由で失業率が上がる可能性が出てくる。
- 商品価格の上昇:人件費が上がる事により、どこかで経費を相殺しないといけない為、直接的に商品価格に反映してしまう。
- 社員の福利厚生の縮小:商品価格と共に、削れる経費として社員の福利厚生を簡素化したり、削ったりする事も考えられる。
以上の様に、単に給料が上がる!やったー!だけでは済まない色々な影響が考えられます。