今後アメリカで働きたい人、インターンとして一時的に働きく予定の人等で、「アメリカでは有給休暇をきちんと使用しているのかな?」と疑問に思っている人もいるかもしれません。
勿論、会社にもよりけりだとは思いますが、アメリカ企業全体的に見ると、日本と比較してアメリカの方が完全に有給休暇の取得率は高いはずです。
現在私が努めている米企業では、上司も部下も、みんなキッチリと有給休暇を取得しています。
日本で働いていた日本企業、アメリカの日系企業、そして現在の米企業の有給休暇取得の傾向を振り返りながら、アメリカと日本を比べて見ましょう。
日本で働いていた時の有給休暇
私が日本の会社で働いていた時、有給休暇は当然、ありました。
しかし、8年間勤めた間で使用した記憶がほとんどありません。
唯一、使用したのは退社する月に使用した位です。しかもほんの数日のみだったと思います。
もう10年以上も前の話なので、今は状況もかなり変わって来ているかと思いますが、本当に周りの営業マン、上司の誰もほぼ有給なる物を使用していなかったと思います。
その結果、皆が有給を取り辛い雰囲気になってしまい、有給休暇を取るという行為が異常であるかの様な感じさえしていました。
今考えると、本当に恐ろしいですよね。。
周りの顔色を窺ってばかりで、「正式に会社から与えられた有給休暇という権利」を使う事の方がおかしいと思わされてしまうって。。なんだそれ!
アメリカの日系企業時の有給休暇
最初の日系企業の有給休暇
渡米してきて、学校を卒業後に就職した最初の日系企業での有給休暇状況はどうだったか?
取れなくはないのでしょうが、取れ難い状況でした。
アパレル小売店で働いていたので、私が休む事で他のスタッフが負担を負ってしまうという状況になってしまいます。
そのお店は、個人経営から会社というきちんとした状態になろうと移行していた頃で、オーナーの一声で直ぐ変わってしまう様なプライベート企業だったので、小売店でありながら、きちんとした休み時間、昼休み時間の制度も全くできていませんでした。
取るべき休み時間も無く、昼休みもご飯を食べたら終了!みたいな、本当にいい加減なシステムでした。
アメリカの休みのシステムについては過去に記事にしています。
アメリカでは法律で定められたランチ休憩とその他に休憩時間に関する決まりがあります。そして、この内容を話す前に、ぜひぜひ知っておいてもらいたいのですが、アメリカは各州、カウンティ、もしくはシティー毎に法律や税制の決まりがバラバラです。[…]
今振り返ると、会社とは言えない、やばい位適当な制度の中で、根性論的な雰囲気の元で働いていましたね。。
本当に転職して他の会社の事を知るって大切!!
中々取れる状況では無かったのですが、そうは言っても日本で働いていた会社に比べると、さすがにアメリカの会社だけあって、取りたければ取ったら良いよ、という雰囲気ではありました。
単に、取りたければ、取れる様にスタッフにお願いするなりして、自分で取れる状況にしなさいよ、という感じでした。
その為、一度1週間位有給を取って、日本に帰国しました。
お店の責任者じゃなかったら、少なくとも取れる雰囲気の会社ではあったと思います。
しかし、上記の様に会社というきちんとした制度も無く、お店の責任者として働く以上、有給休暇は取らなくて良いんじゃない?という感じでしたね。。
そんな会社だった為、有給を上記の1週間位の有給消化以外、ほぼ全部残したまま辞めたにもかかわらず、その残った有給を現金化して支払ってもらえませんでした。(アメリカでは退社時に残った有給は現金化して支払うのが普通かと思います。)
転職後の日系企業の有給休暇
転職した次の日系企業ではどうだったのでしょうか?
ここも当然、有給制度はありましたが、マネージャー職として頻繁に使える状況では無かったですね。
上記同様、私が有給を使う事によって、他のスタッフに負担をかけてしまわざるを得なくなります。
しかも、ここは他のスタッフが病欠等で急に休む事によって、私が休日出勤をせざるを得ないという状況がとても頻繁に起こっていました。
お店の鍵を保持している、その日の責任者から、当日急に電話がかかってきて、「病気なんで休まして下さい」に対して、お店のマネージャーとして、休日出勤せざるを得ない。。。
私の当日の予定もそれで全てキャンセルです。。
その休日出勤の代休を取る事さえままならない状況でした。。
結局、その代休を取る事によって、また他のスタッフに負担をかけてしまう、という本当に負の連鎖でした。
最悪ですよね。。。
他店舗のマネージャーも全く同じ状況でしたが、そのマネージャーはその休日出勤の代休も全く消化出来ていませんでした。。
完全に会社のシステムがきちんと出来ていない為に起きていた悲しい出来事です。
会社から「無駄に人を雇うな」と言われても、無理矢理でも人を増やして、システム化させるべきでした。
結局、7年勤務したこの会社で取った休暇は、、、日本帰国の為、5日位を3回位、取りました。
後は、結婚式で3日位とかでしょうかね。
ぎっくり腰とか病気とかもありましたが、上記の休みも含めて、大体が休日出勤の消化の代休で有り余ります。
ここでは、本当にシステム的に取り辛い、取れない会社でした。
完全に日本色が強い日系企業だったので、有給休暇はとても軽視されていたと思います。
取らない(取れないが本当ですが)有給休暇は翌年には持ち越し出来ず、翌年には全てチャラになってしまうという、この会社のシステムもどうかと思います。。
アメリカの米国企業の有給休暇
そして、現在のアメリカの米国企業の有給休暇事情はどうか?
以前の日本企業、日系企業に比べてメチャクチャ有給が取り易くなりました!
しかも有給休暇の日数が多い!!
何が違うかと言うと、自分の休みを先に計画出来る様になった、という点ですね。
以前の企業だと、本当にギリギリのスタッフメンバー数でお店をまわしていたので、本当に引きつけて有給が取れる状況なのか?取れる可能性があるのか?等とよくよく検討してからでないと、休みの計画も立てれないし、有給申請も出来ませんでした。
しかし、現在は年明けに「よし!今年の6月はトライアスロンに出場するから、第2週のその前後4日位は有給を取ろう!」、「10月に日本に1週間位帰国しようか」等の休みの計画が年初めには決める事が出来ます。
一般の企業だったらそれは普通の事かもしれませんが、特に小売店でマネージャーポジションとして働いている人なら分かるかもしれませんが、年初めに年間の休みの計画、有給の計画を立てる事は中々難しい物です。
勿論、小売店に変わりないので、私が1週間有給を使うとその分負担は他のスタッフにかかるのですが、その負担が以前の会社に比べると非常に軽いし、他のマネージャーも普通に有給を使うので、お互い様という気持ちで負担を受け入れやすいですね。
誰が有給休暇をとっても、お店は問題なくきちんと運営する事が出来る、というシステムがきちんと整っている、という事です。
私のボスも普通に有給を使用するので、部下の私達も使い易いですよね。
それと、何が違うというと、有給を使わないと翌年に持ち越されるけれど、10日分に関しては、有給を使用しないと、その10日分は消滅してしまう、という会社規定があります。
もし、使わないと現金化する事も出来るみたいですが、このルールがあると、皆が「10日の有給は最低でも取らないと!」となりますよね。
完全にシステム化の勝利ですね(笑)。
まとめ
現在のアメリカの米国企業と以前の日本企業、アメリカの日系企業の有給に対する大きな違いは、「有給を取る事を前提として、取り易いシステムを会社が用意しているかどうか」だと思います。
私が以前働いた日本、日系企業は有給を取る事を前提とて考えていないので、根性論で乗り切ろう的な感覚だったと感じます。
その為のシステムを作る事は経費の無駄という考えでしょうね。
と言っても、アメリカ人も日本人と同様ハードワーカーなので、きっと、休みに対する考え方の違いなのかな、、とも思いますね。
それともう一つ、アメリカの祝日は日本に比べてもとても少ない為、その分、有給としてきちんと休むというのも理由の一つかもしれませんね。
ま、どちらにしても、有給休暇は会社から社員に与えられた権利なので、「その権利を遂行して何が悪いの?」と言える会社で働きたいですね(笑)。
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