アメリカ人と日本人のルールに対する感覚の違い
アメリカの日系企業から現在の米企業に転職してから、当然働く環境が一転して、常にアメリカ人達と一緒に仕事をする様になり、カルチャーの違いという物を感じ続けて来ました。
過去に、色々とそんな文化的に違う事等を記事にしてきましたが、今までずっと「何かモヤモヤしてるけど何だろうな。。」と思っていた物が少しクリアーになる事がありました。
それは、「アメリカ人は比較的ルールに対する柔軟性がある」という事です。
どういう事かというと、私はこのブログでも何回か明記して来ましたが、アメリカ人の返品のいい加減さに、怒りを覚える事が多々ありました。
そういうお客さんに対しては、「絶対に負けたくない!こんな理不尽な返品を受け付けたくない!!」と自分的にはそんな理不尽な出来事と戦ってきたつもりです。
「日本人をなめるなよ!」的な(苦笑)。。
しかし、当然そういうお客さんから、その場で怒りの言葉や、正直頭に来る様な捨て台詞等を貰う事や、会社に文句の電話を貰った事もありましたが、それでも「自分は絶対に正しい事をしているから、会社から言われても、逆に会社が理解してないだけ!」と強く自分の中で思って来ましたが、同時にとてもストレスにも感じて来ました。
文句を思いっきり浴びる様に言われて、ずっと店頭では我慢していたのですが、あまりに頭に来て、お店の裏に行って思いっきり物に当たった事も何回かあります。。
本社の上層部に直接、文句の電話が行って、トップダウンで、私の上司から注意された時も、自分の中では、「会社のルールに沿ってやっている、これこそ正義じゃない??」と正直、全然納得していませんでした。
でも、一方で私の上司なんかは、こういう処理の時は融通を利かせて対応しているのを何回かみました。しかし、そういう処理をした時に、私は「あ~あ、何の為の会社のルールなんだかな。。自分はこういうルールだぞ!と私達に指導しておきながら、ルールをはみ出た対応をして。。」と内心思っていました。
でも、その対応で、お客さんは喜んでいました。それは当然です。理不尽な要求でも、受け入れたのですから。。お客さんはハッピー、受け入れた上司もハッピー。
私の場合は、、、お客さんは怒り、私もストレスだらけ。。。
「なんだろ、これ。。。会社のルールを守ろうとした、正しい事をしようとした結果、両者ともがアンハッピーって。。」とモヤモヤしていました。
そんな時に内藤忍さんの下記リンクの記事を読んで、何か腑に落ちました。
何か、ルールに縛られるという事は、子供の頃から日本で生きて来て、自然と身についてしまっていた事だと気づきました。
「ルールを守っていれば良いんでしょ!」みたいな感覚です。
逆にきちんとしたルールが無ければ、「一体ルールはどうなっているの?!」と思ってしまうような。。
前職の日系企業では、働いているスタッフはほぼ日本人だったのですが、当然アメリカ人お客さんの理不尽な返品、要求はありましたが、マネージャーだった私は、そういう時は周りの日本人スタッフの、「ルールに反している事を突っぱねる事は、マネージャーとして当然でしょ!」という視線をいつも感じていました。当然、私自身もそれが当然だと思っていましたし。
しかし、現職のアメリカ人マネージャー達は、ルールに縛られずに柔軟に対応している人が多い事に気付きました。
ディストリクトマネージャーが変わってからは「とにかくお客さんをハッピーにさせる様にしなさい」と言われる様になりました。
自分自身の問題だと気づいた
上記の様に、「日本の環境がルールに縛られるマインドを作ってしまったんだ。。」と腑に落ちたのは間違いないのですが、でもそれは、私自身の凝り固まった、ルールさえ守れば良いんだみたいな、融通性の利かない、ルールの先を深く考えない、いわゆる思考停止状態になってしまっていた私自身が一番の問題だと思う様になりました。
今でも、当然の事ながら理不尽な返品や要求が多々ありますし、正直頭に来る事がありますが、そんな中でも「この問題に対して、何か柔軟な対応は出来ないかな?」とは考える様になりましたし、過去はルールから少しでもはみ出ていたら、断っていた様な事も「今回だけ特別ですよ!」みたいなノリで笑って対応する様になりました。
その対応で、お客さんも笑顔になって、私のストレスも軽減されて、私達両者共がハッピーになって、例えルールをはみ出す事で会社は金銭的に損する事があったとしても、リピーターとして返って来てくれれば、会社としてもハッピーですし、良い事尽くめじゃないかな、、と思ってきています。
今まではどうしても、「ルールはルールで厳守!!」とガチガチだった考え方が、今では「ルールという基本は勿論あるけど、柔軟に対応して、お客さんをハッピーにしてあげれば良いんじゃないかな」と全く違う考え方を持つようになってきました。
まとめ
アメリカに住んでいる人ならば、共感して頂けるかもしれませんが、アメリカ人達のノリは軽いし、良い意味でも悪い意味でもはみ出ている事が多い(笑)。
でも、日本に住む日本人でもこういった人も多くいると思います。
結局は、私自身の凝り固まった考え方の問題だったのです。。
アメリカに来て、随分と考え方が柔らかくなったと自分では思っていたのですが、全くカチカチのままでした(苦笑)。
でも、渡米してからでも、かなり時間がかかってしまいましたが、こうやって気づく事が出来て良かったと思います。
中々、今までの人生の中で培ってきたこの考え方を変えて行くのは容易ではありませんが、徐々にでも柔らかく、柔軟に物事を対応出来る様に意識して努めて行こうと思います。